有能な社員に「もう会社辞めたいんです」と言われたら

仕事で大きなミスをしてしまい,
上司にこっぴどく叱られてしまって
「もうこんな会社辞めてやる!」
と,ネットで辞表のフォーマットを検索したりする。
そんなことってありますよね。

徐々にお客様との関係性も築かれ,
仕事のスキルも身に着いてきた頃。
職場コンサルティングで関わっている会社の
若手社員のAさんから,
私に送られたメールもそんな内容でした。

「自分だけのせいではないし,
これだけやってもダメならもう
自分はこの仕事に向いてないと思うんです。
会社にも上司にもすっかり嫌気がさして,
もう職場に行く気にも
なれません」
と,きっぱり言い切るような調子で切々と書かれていた文面。

でも,そんな口調から伝わってくるのは,
本当に会社のことが嫌いだったり,
上司を憎んでいるわけではない,
ということ。

Aさんが抱えている問題とは,
自分がこれまで真摯に取り組んできたからこそ
いまここで
事態の解決方法を見通せるような
気持ちになれないという部分なのでしょう。

そんな感情の乱れや
混乱した気持ちを丁寧に解きほぐすため,
これまで起こったこと,
Aさんが感じた悔しさ,悲しい気持ちを
ひとつひとつ言葉にしてもらいました。

ひと通り話し終わったときの
Aさんの声は,
少しトーンも明るくなり
「もう少し考えてみます」
という言葉で締めくくられました。

このように
自らブレイクスルーを見出すまでの
お手伝いをしていくことで
回復スピードは随分変わります。

そして,場合によっては
本人の同意を得た上で,
上司に私から声をかけて,早急に関係性を
修復できるようなサポートを
することもあります。

いずれにせよ
職場の人間関係トラブルは
当事者同士だとどうしても
行き場のないストレスや感情が先に立ち,
ちょっとしたきっかけでこじれやすいもの。

早まった離職にブレーキをかけるためにも,
まずは利害関係のない外部の人間が
話をじっくり聞くことが
何よりシンプルで,
問題解決の近道なのではと実感した
ひとこまでした。


※個人情報のため,内容は実際の事例とは一部改変してあります。


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