最近は多くの小売店で「STOP!カスタマーハラスメント」といったポスターや、顧客に対する店の対応方針についての掲示が目立つようになりました。
これまでは、顧客からの不適切な暴言やクレームに対して、ひたすら忍従を強いられていた店側が、一斉に立ち上がったような雰囲気すら感じさせます。
今月のコラムでは、このカスタマーハラスメント(カスハラ)とはどんなものなのか。
そしてカスハラが起こる原因、特に心理学的な視点から観た場合のカスハラ加害者の心情、そして受け止める側のストレスなどについて、具体的に検証していきます。
■基本知識
まずはカスタマーハラスメントとの定義について考えてみましょう。
カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先が、就業者に対して行う著しい迷惑行為を指します。
暴言、脅迫、土下座の強要、過度な長時間拘束など、正当なクレームの範囲を超えた不当な要求や言動が該当します。
このカスタマーハラスメントによって、従業員の心身や就業環境が害され、就労における困難感、心身ともに「働きにくい」環境が生じます。
このようなカスタマーハラスメントの発生に対し、従業員を雇用する企業などには、組織的な対応や対策マニュアルの策定など、従業員の安全な就労を守る責任が求められています。
■専門家としての分析
カスタマーハラスメントを臨床心理学的な視点から考察すると、顧客との接点における「刺激」であり、その反応として心身に大きなストレスが発生します。
カスハラによって精神的健康、つまりメンタルヘルスが阻害され、それによって身体的な健康を阻害するといった状況も引き起こされます。
すなわち、就労環境の悪化が引き起こす心身の不調がカスハラの最も重大な影響であると考えられます。
■今回のポイント
カスタマーハラスメントの課題とは
カスタマーハラスメント防止は、労働者を雇用する企業側の責任です。
しかし労働者自身が「カスハラを受けないようにする」行動については未だルール化の途上であり、自衛するための方策については個人に委ねられています。
また顧客側へのカスハラ抑止の啓蒙についても、これからの課題となっています。
