心理的安全性/ハラスメント防止の株式会社アイビー・リレーションズ
コラム

心理的安全性改善・ハラスメント防止・クレーム対応など
随時情報を配信しています。

コラム

第4回:行動を変える“小さなステップ” —— 目標設定の心理学(ABCモデル版)

目標が達成できない背景には、能力不足ではなく「行動のハードルが高すぎる」ことがあります。CBTでは A(きっかけ)→B(行動)→C(結果) の枠組みを用い、小さな行動変容を促すことで望ましい結果を積み重ねていきます。

事例:会議で発言できないDさん

  • A(きっかけ)
    会議で意見を求められる場面
  • B(行動)
    沈黙する・下を向く・発言を先延ばしにする
  • C(結果)
    「発言できなかった」という自責感 → 次回の会議もさらに発言しづらくなる

Dさんは決して能力が低いわけではなく、「否定されたらどうしよう」という不安が、行動のハードルを高くしている状態です。このままではC(望ましくない結果)がAに逆戻りし、悪循環が続きます。

専門家としての分析

ここで重要なのは、“行動(B)を大きく変えようとしない” ことです。
むしろ「小さな行動」を設定し、C(結果)を成功体験に変える工夫が必要です。

ポイント

  • 「まずは会議前に、自分の意見を一文だけ書き出す」
  • 「発言ではなく、メモをマネジャーに共有する」
  • 「会議中に一度だけ相槌を打つ」

こうした行動の積み重ねは小さく見えても、Cが変わることで “発言しても大丈夫” という新しい認知が生まれ、次の行動が自然と変化していきます。
行動→結果→認知の順で変えていくのが、CBT的アプローチの核心です。


一覧へ戻る