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第5回:フィードバックの技術——事実と解釈を分ける(ABCモデル版)

フィードバックの場面では、マネジャーの言葉が “A(きっかけ)” となり、部下の行動や結果に大きな影響を与えます。そのため、事実と解釈を丁寧に切り分けた関わりが重要です。

事例:否定的なフィードバックで行動が止まったEさん

  • A(きっかけ)
    資料提出の遅れに対して「やる気がないんだね」と上司から言われた
  • B(行動)
    萎縮し、次の業務に着手できなくなる
  • C(結果)
    さらに提出が遅れる → 自己評価の低下 → 相談しづらくなる

このように、解釈を含んだフィードバックは、望ましくない行動パターンを強化してしまいます。

専門家としての分析

認知行動療法では「相手の行動を引き出すきっかけをつくる」ことが重要です。
つまり、マネジャーのフィードバックがAとしてどのような行動を誘発するか、常に意識する必要があります。

ポイント

  • 事実のみを提示する(例:「昨日の提出が30分遅れましたね」)
  • 背景を一緒に確認する
  • 行動の代替案を提案する(例:「次は下書き段階で共有してみましょう」)

Aの設定を変えることで、部下の行動(B)が「相談する」「報連相が増える」といった望ましい方向に促され、C(結果)も好転します。


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