フィードバックの場面では、マネジャーの言葉が “A(きっかけ)” となり、部下の行動や結果に大きな影響を与えます。そのため、事実と解釈を丁寧に切り分けた関わりが重要です。
事例:否定的なフィードバックで行動が止まったEさん
- A(きっかけ)
資料提出の遅れに対して「やる気がないんだね」と上司から言われた - B(行動)
萎縮し、次の業務に着手できなくなる - C(結果)
さらに提出が遅れる → 自己評価の低下 → 相談しづらくなる
このように、解釈を含んだフィードバックは、望ましくない行動パターンを強化してしまいます。
専門家としての分析
認知行動療法では「相手の行動を引き出すきっかけをつくる」ことが重要です。
つまり、マネジャーのフィードバックがAとしてどのような行動を誘発するか、常に意識する必要があります。
ポイント
- 事実のみを提示する(例:「昨日の提出が30分遅れましたね」)
- 背景を一緒に確認する
- 行動の代替案を提案する(例:「次は下書き段階で共有してみましょう」)
Aの設定を変えることで、部下の行動(B)が「相談する」「報連相が増える」といった望ましい方向に促され、C(結果)も好転します。