カスハラを受けた後に「またあの客が来たらどうしよう」と不安になったり、仕事への意欲が急激に低下したりするのは、脳の自然な防衛反応です。
基本知識
カスタマーハラスメントによる被害は、その場限りの不快感では終わりません。
不当な言動を浴び続けることで、就業者には強いストレス反応が生じ、心身ともに「働きにくい」環境が形成されます。
これは単なる精神的な疲れではなく、脳や自律神経に深刻なダメージを与えるリスクを孕んでいます。
従業員の心身や就業環境が害されることは、個人にとっても組織にとっても、最も回避すべき重大な損失であることを再認識する必要があります 。
専門家としての分析
理不尽な攻撃は、私たちの「安全感」を脅かします。
これが繰り返されると、心理学で言う「学習性無力感(どんな抵抗も無駄だという感覚)」に陥り、深刻なメンタルヘルスの悪化を招きます。
また、感情を押し殺して笑顔を作り続ける「感情労働」の負担は、想像以上に脳を疲弊させます。
今回のポイント
心身のSOSを「正常な反応」として受け止める
カスハラによる気分の不調や体調不良は甘えではありません。
感情労働による疲弊やトラウマを適切にケアする重要性を強く意識し、実践していくことが必要です。
「お客様の期待に応えたい」というあなたの真面目さが、時に自分を追い詰めることもあります。
「ここまではやるが、ここからは断る」という自分なりのルールを、キャリアコンサルタントの視点からも推奨します。
Q&A
Q:ひどい暴言を受けた翌日、朝いつも通りに仕事に行こうとすると涙が出たり、動悸がしたりします。これくらいで休むのは甘えですか?
A: 決して甘えではありません。それは心と体が発している「正常な危険信号」です。
就労環境の悪化が引き起こす心身の不調は、カスハラの最も重大な影響です。
こうした症状は、脳が強いストレスから自分を守ろうとしている証拠です。
無理せず放置せず、早めに専門家や産業医に相談し、まずは「安全な環境」で心身を休めることを最優先にしてください。
