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コラム

第6回:組織として従業員を守るための「レジリエンス」構築

カスタマーハラスメント対策を「個人のコミュニケーション能力」の問題として片付けてしまうのは、非常に危険な考え方です。
従業員を雇用する企業には、組織的な対応や対策マニュアルの策定など、安全な就労を守る責任が求められています。
カスハラ対策は、もはや個人のスキルの問題ではなく、組織の危機管理(リスクマネジメント)です。

基本知識

個人がどれほど対策を講じても、組織のバックアップがなければ心は折れてしまいます。
組織全体で「レジリエンス(逆境からの回復力)」を高めるためには、現場の孤立を防ぐ仕組み作りが急務です。
具体的には、カスハラが発生した際の「即時報告・即時交代」のルール化、そして現場の判断で対応を打ち切ることができる「毅然とした権限委譲」が不可欠です。

また、人材育成のプロの視点からは、定期的なロールプレイングによるトレーニングを推奨します。
「いざという時にどう動くか」が身体化されていれば、実際の場面でもパニックに陥りにくくなります。
企業が「理不尽な要求には屈しない」という方針を明確にし、従業員に対して「会社はあなたを100%守る」というメッセージを伝え続けること。
その安心感こそが、従業員のメンタルヘルスを安定させ、結果としてサービスの質を向上させる土台となります。

専門家としての分析

従業員のメンタルを守る組織、つまり心理的安全性の高い職場は、結果として離職率が低く、生産性が高いことがわかっています。
具体的には、カスハラ発生時の「即時報告ルール」や、現場の判断で対応を打ち切ることができる権限委譲の機能が重要です。
組織が「あなたを守る」という姿勢を示すこと自体が、従業員のレジリエンスを高める大きな要因になりえます。

今回のポイント
組織の「盾」が従業員のレジリエンスを育む

個人の努力に依存せず、マニュアルと権限委譲によって組織全体で守る仕組み作りはとても重要です。
さらにカスハラ対策マニュアルは、一度作って満足するものではありません。
マニュアルは「作る」ことがゴールではありません。何度もシミュレーションを行い、誰もが迷わず「NO」と言える文化を醸成することこそが、真の防止策となります。
さらに現場で実際に起きた事例を共有し、常にブラッシュアップしていく「生きた仕組み」も重要です。個人の「自衛」だけに頼るのではなく 、組織という強固な盾を作ることで、誰もが安心して働ける就業環境、すなわち「職場レジリエンス」の高い環境を構築していきましょう。

Q&A

Q:店長に相談しても「お客様だから我慢して」と言われます。組織としてどう動くのが正解ですか?

A: 本来、従業員の安全な就労を守るのは企業側の責任です 。
現場の「忍従」に頼る対応は、組織的なリスク管理が不十分だと言わざるを得ません。
まずは「組織的な対応や対策マニュアルの策定」の必要性を、同僚など周囲と協力して提案してみましょう 。
一人で戦うのではなく、組織として「NO」と言える仕組み作りを求めていくことが大切です。

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