消費者に直接対応する小売店などの接客現場は、つねにカスタマ―ハラスメントの発生リスクに対峙しています。
このような買い物という場面で、日常的に発生しやすいのがレジ待ち時間や、目当ての品が手に入らないという欠品への怒りです。
基本シーン
混雑するレジで「遅い!」「もっと早く動け」と我慢しきれずにイライラして不機嫌をレジの係員にぶつける顧客。
あるいは、広告の品の売り切れている状況に対し、延々と苦情を言い、何とかしろと迫ったり、謝罪を要求するケースが挙げられるでしょう。
専門家としての分析
認知行動療法では、そのような顧客の怒りの背景には「すべての物事は、自分の計算通りにスムーズに進んで当然」という思い込み、つまり認知バイアスがあると見立てます。
顧客の焦燥感は、店員個人への攻撃ではなく、自分の思い通りにならない現実に対処しきれず、店側に対応を迫るパニック反応(認知のバグ)と言えるでしょう。
対応のポイント
今回のように、誰の落ち度でもない現実に対する不満を、苦情としてぶつけてくる顧客に対しては、安易に謝罪しないことが重要です。
また、応対の際には、主語を「店(組織)」に置き換えて伝えること。
「申し訳ございません」と自分個人が不適切な応対をしたような言い方はせず、顧客にとって不都合な事実が発生しても、それは決して意図的なものでないことを毅然として伝えます。
それでも納得してくれない場合には「店のルールでこれ以上の対応はいたしかねます」と、プロの立場で顧客との境界線(バウンダリー)を引きましょう。
Q&A
Q:顧客から怒鳴られると自分のせいだと思って震えてしまいます。
A:相手の怒りは「あなたの不手際」ではなく、相手の頭の中にある「期待と現実のギャップ」が引き起こしたエラーです。
一歩引いて「この人は今、自分勝手なルールに振り回されているな」と観察してください。
