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コラム

第2回:飲食店でのカスタマーハラスメントー「お客様は神様」という誤った万能感が原因

飲食店では、その場で代金を支払いサービスの提供を受けるというやり取りも手伝って、顧客が「こちらがお金を払っているんだから上の立場であるはず」という思い込みによる上下関係を感じやすい場所です。
この歪んだ関係性が、一部の顧客に「多少のわがままは許される」という全能感を与えてしまいます。

■基本シーン

ランチタイムの混雑時、オーダーミスで料理の提供が5分遅れた際、ある顧客が激昂します。
「俺の時間を無駄にするのか!」「責任者を呼べ、土下座して謝れ!」と店内に響き渡る声で怒鳴り散らし、スマホを向けて「SNSで晒してやるからな」と脅しをかける。
周囲の客がざわめき、怯える中、特定のスタッフを指名して「お前、名前は何だ?ここではもう働けないように訴えてやる」と執拗に個人攻撃を繰り返すような客も存在します。

■専門家としての分析

臨床心理学の観点では、これは「役割の固定化」による万能感の暴走と捉えられます。
顧客は、日頃の生活で抱えている強いストレスや孤独感から、自己肯定感の低さを、店員という「言い返してこない存在」を屈服させることで埋め合わせようとしているのかもしれません。
このような場面では、顧客の抱えるネガティブで不当な感情を、ここぞとばかりぶつけているのだと理解しましょう。
あなたの不手際もあったにせよ、顧客の過剰な言い分をそのまま受け入れる必要はありません。
もちろん、自分のミスは今後の改善に生かしこそせよ、今回の失敗を責めすぎないことが重要です。

■対応のポイント

こんなときには、まずミスの発生に限定したお詫びをしっかりと行った後に「私は会社の規定に基づき、これ以上の対応はいたしかねます」と主語を個人(私)から組織(会社)に置き換えることで、心理的な境界線を引き、相手をこれ以上踏み込ませないようにしましょう。
また、状況が悪化する前に他のスタッフや責任者に即時交代するルールを徹底し、組織という「盾」で自分を守ってください。
「お客様の期待に応えたい」という誠実さは大切ですが、相手次第ではそれが自分を追い詰める刃になりかねません。
理不尽な要求が出た瞬間に、個人の接客スキルで解決しようとするのをやめましょう。

■Q&A

Q:こちらのミスがきっかけなので、ひどい暴言を吐かれても我慢して対応を続けるべきでしょうか?
A:いいえ、その必要はありません。
正当な謝罪と、不当な要求(土下座の強要や人格否定)への対応は全く別物です。
ミスに対する謝罪が済んだ後も続く攻撃は、もはや「クレーム」ではなく「カスハラ」という迷惑行為です。
就業者には「拒否すべき行為」に対して境界線を引く権利があります。
無理に一人で耐え忍ぶことは、学習性無力感を招きメンタルヘルスを悪化させる原因となりますので、速やかに組織的な対応に切り替えましょう。

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