他者の感情に寄り添うということ

今日8月12日は、1985年に日航機墜落事故で多くの犠牲者が出た日。
元号はまだ昭和でしたから、ご存じない方も多いかもしれません。
日本航空123便墜落事故

当時、私はまだ大学生で、夏休みだからと神戸出身の友人が自宅に泊まりにきていました。
そんな中でTVから流れたニュースに彼女の表情が一変。
画面に映し出された乗客名簿に
「え?うそ!どういうこと?!」と…
小学校から関西の一貫校での仲良しの名前がそこに表示されていたのです。
お盆を郷里で過ごそうと帰省する途中の事故でした。

まだスマートフォンはおろかインターネットもない時代、一縷の望みを抱きながらも急いで
帰宅していく彼女を、私はただ見送るだけでした。
いま思えば、張り裂けそうな気持ちをかかえてやっとのことで立ち上がった彼女のショックを
和らげる言葉かけや、共感ができなかったのだろうかと悔やまれます。

目の前の相手が心痛めているときでも、人はつい自分に気持ちが向いてしまいがち。
「こんなことを言う立場でもないし」
「かえってイヤな思いさせたくないし」
等、言い訳(セルフ・ハンディキャッピング)で黙ってしまいます。
結局は自分が傷つくことを恐れているのです。

もちろん、他者の感情に寄り添うことは容易ではありません。
それでも、ひとことでも癒しを感じてもらえるのなら、
精一杯の気持ちを伝えることは無駄にはなりません。

大切なのは、この瞬間の相手の思いに寄り添って、声をかけること。
遠くから見守るにせよ、ここにいるよ、というメッセージは伝えないと相手に感じ取ってもらえません。

思いやる気持ちを言葉にすること、少しずつチャレンジしてみましょう。

セルフ・ハンディキャッピング