期待値を上げすぎない

20代でまだあどけなさの残るAさん。
「最近、何をやっても裏目に出る気がして」
と元気がありません。

お話を聴いてみると、きっかけは
どうやら友人に頼んでいた「推し」のチケット、
すなわちお目当てのアイドルのライブコンサートの券が
入手できなかったようです。

「たぶん取れるんじゃない?」という友人の言葉に、
難なくチケット(実は抽選販売だったプラチナチケット)を
手に入れることが出来ると早とちりしていたようです。

ところがふたを開けてみると争奪戦には勝てず、
しかも頼みの綱だった友人は
「かなり倍率高かったから仕方ないよね」
と一人で納得している様子。

Aさんは友人にも責任を問いたいような気分になってしまい、
「取れるって言ってたじゃない!」
とつい強い口調でぶつけてしまいました。

その結果、友人とはぎくしゃくした関係になってしまい、
もちろんお目当てのアイドルとも遠ざかってしまうしで、
Aさんはすっかり落ち込んでしまったというわけです。

行動を起こすとき、
あるいは誰かと一緒に行動するとき
「こうだったらいいな」とつい、期待をしてしまうもの。

でも思い通りにいかなかったとき
「ああ、やっぱりダメだった」とか
「期待してたのにショック」なんて
勝手に落ち込んで、鬱々した気分になってしまったり。

よく考えてみれば、
うまくいく根拠が薄いのはわかっていたのに、
「もしかしたら」
という思いが
「うまくいくかも」
に変わり、
「なんだかワクワクする」
と思わず期待に揺さぶられたりするんですよね。

でもそもそも、
「うまくいく」確率はさほど高くないのであれば、
無駄な期待などせず、ニュートラルに
「当たれば行けるし、
外れても諦めがついて、その時間を他の事に活用できそう」
などと考えを切り替えることで、ストレスフルな状況に自分から
突っ込んでいくような真似はせずにすみそうです。

人間は感情の動物、
なんて言いますが、だからこそセルフコントロール(自己管理)に
しっかりと向き合って、自分のコンディションを常に整えておくこと。
そして起きるかどうかわからない幸運については、
あえて期待をしすぎないことが、適応的に過ごすためのコツかもしれません。